花柳廸彦太
2歳より祖母・花柳芳廸より日本舞踊の手解きを受ける。 17歳で名取、20歳で師範となり、自身の教室をはじめ、各ダンススクール、タレントスクールにて日本舞踊の指導にあたる。
一方、エンターテイメントとして日本舞踊を楽しんで欲しいという思いのもと、NHK紅白歌合戦、ぐるっと関西を初め、TV・雑誌等の各メディアへの出演、「TOP HAIR MAIN SHOW」(ドイツ・ドュッセルドルフ)「A Celebration of Women in the Arts」(ニューヨーク・コロンビア大学)「The 1st-Year Anniversary of the 3.11 Earthquake」(ニューヨーク・ラガーディア大学)におけるパフォーマンス等、国内外、各方面において日本舞踊を普及させるために活動中。 また、NHK「おしゃれ工房」、読売テレビ「おネエ★MANS!!」等の出演やトークショーにおいて、 日本舞踊の美しい仕種・動きを生かし、日本女性の美しさをサポートするなど多岐にわたり活躍中。
日本舞踊協会会員
芦屋市邦舞協会会長
突然ですが、皆さん最近、川原や道端でタンポポを見かけたことありますか? もちろん!と、お答えくださった方も多いかもしれませんが、皆さんが見たタンポポ、そのほとんどが、”西洋タンポポ”、いわゆる外来種なんです。日本の侵略的外来種ワースト100のうちの一つです。昔ながらの日本のタンポポは、私たちの身近からは消えてしまいました…。
無くなっても困らないけど…なんとなく寂しいですよね。
これは自然界の話ですが、日本の文化においても同じことが起きています。 西洋の文化が着実に根付き、消えてしまいそうな日本の文化がたくさんあります。
生活するには洋服の方が機能的だし、手軽で楽チン。着物が無くなったって全然困らない!かもしれません。でも、本当に無くなってしまったら…。
着てくれる人がいなくなれば、いずれ無くなります…。 自然界の絶滅危惧種のように、日本の文化も意識的に残していかなければいけない段階に来ているかもしれません。 でも、どうやって!? まずは知ってください♪ 触れてください♫ そして楽しんでください♫♫
日本舞踊は日本文化のデパート。総合芸術です☆
◇三味線の音色にのせた長唄や清元の歌声。
◇笛や太鼓の響き。
◇日本独特の色彩を持つ染めや、織物、刺繍で彩られた着物に帯。
◇こまやかな細工の簪(かんざし)や櫛(くし)で飾られた、結い上げられた日本髪。
◇鬢付け油やお粉(おしろい)、紅などで仕上げる和化粧。
◇美しく描かれた扇子
◇江戸の町を現す大道具。
などなど、まだまだ書ききれない程の文化・芸術が散りばめられています。
日本舞踊を通して、たくさんの素敵なものに触れ、知ってくださることが第一歩。
そしてあなたがその素敵の物たちに囲まれ楽しんで下されば、その思いは周りに伝わっていきます。素敵だなって思って下さるその心が日本の未来に伝わっていくと思います。
世界に誇れる日本の心や物を、ともに学び、次の世代へ届けて頂ければ嬉しく思います。
日本文化を守れるだけじゃない!メリットはほかにもたくさん!☆
◆健康に!美しく!かっこよく!
すっと背筋が伸びた立ち姿、美しく、かっこいいですよね。
日本舞踊は、腸腰筋に代表されるインナーマッスルをしっかりと使い動きます。
インナーマッスルを意識し体幹を整えることで、自然と腹式呼吸となるその動きは、見た目に美しいことはもちろん、とても健康的です。
驚くことに、80歳を過ぎても現役で踊っておられる舞踊家さんはたくさんいらっしゃいます。齢80を過ぎた舞踊家の先生が「助六」という演目を踊られたときには、全く揺るがない立ち姿、内から発せられる大きなパワーを感じました。これは、外面の筋肉に頼らず、内側の筋肉をしっかり使い体軸をキープしているからです。
みなさんも是非、日本舞踊を学び、美しくカッコイイ立ち姿を身に付け、健康に長生きしてください。
礼儀作法を身に付けよう!
と言ってもそんな大げさに考える必要はありません。
たたみの部屋に入った時には、座ってお辞儀をする、くらいのことは知っていても損はしないと思います。しかし、最近では家に和室がないこともありますし、そういったことを知らないお子さんも少なくありません。
ニューヨークに滞在中、子供たちに日本舞踊を披露させてもらいました。何曲か踊ったのですが、一つはお辞儀から始まりお辞儀で終わるご祝儀の曲を踊りました。それを見ていたお子さんの一人が、他のお稽古事に行った時にお辞儀をしてから習うようになったと聞き、とても嬉しく思いました。
逆に海外の友達から「Every Japanese is too polite!」、「日本人は丁寧すぎる!」 と言われたことがあります。スターバックスでコーヒーを買っただけなのに、有難うございますと三回もお辞儀をされたらしいです(笑)これは、マニュアル化された日本企業の対応かもしれませんけど、もともと丁寧で繊細な日本人の気質の表れだと思います。 正座をしてお辞儀をして挨拶することも、しないのではなくて知らないだけなのです。そういったちょっとした作法も自然と身につき、普段の生活の端々に現れてくるのも日本舞踊をお稽古をする魅力の一つだと思います。
◆着付けも身につく!!
日常に着物を着ていたのは昭和の30年頃まででしょうか。着物を着たお母さんが台所にいたり、着物を着てお父さんが新聞を読んでいたり。なんだかサザエさんみたいですね。(笑)
でも、そんな風に普段着としてみんなが普通に着ていたわけですから、着物を着ることはなにも難しいことではないはず!
靴下履いて、下着を付けて、シャツ着て、ズボンはいて、ベルトしめて、ジャケットをはおる。足袋をはいて、肌襦袢を着て、襦袢を着て、着物を着て、帯をしめる。
段取りを習ったらあとは習うより慣れろ!着るチャンスを増やして、何回も着ているうちにしっくりと体に着物が沿ってきます。
そこでお薦めしたいのが和のお稽古事。茶道や華道、もちろん日本舞踊もですが、先生はもちろん、習いに来ている生徒さんたちもみんな着物を着ます。ということは、同時に着物の着方も教えてもらえて一石二鳥なのです!